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「被虐の契り」
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■あらすじ


銀行の重役の娘で、美貌と教養を誇る処女の女子大生・松平葉子は、半年間におよぶ恋愛期間を経て、一流商社の重役の息子・矢野雅彦と婚約する。葉子は優しい性格の雅彦を本心から愛しながらも、まだキスしかしてくれない彼の真面目さに、若い健康な女性として多少の不満さえ感じていた。婚約の後としては初のデートの日、雅彦は六本木の高級クラブ「S」に葉子を誘う。そこで葉子は、雅彦の大学の先輩でデザイナーの上杉と、上杉のガールフレンドで仕事のパートナー谷梓を紹介された。しかし上杉はプレイボーイ、谷梓もいかにも大人の女という印象で、葉子は真面目な雅彦の友人にこんな人たちがいることに反感を覚える。だが雅彦は上杉たちと別れてから葉子の名を初めて呼び捨てにし、葉子はその事実に先の不満も忘れて高揚する。続けて雅彦は、今夜、葉子をぼくのものにすると宣言する。葉子は口では彼の要求に抗いながら、心と体ではひそかに承知する。だが雅彦は、贅を尽くした高級クラブとは打って変わった、近所の汚くて狭いレンタル・ルームに半ば無理やり葉子を連れ込み強姦同様に彼女の処女を奪う。さらには葉子の破瓜の後始末に用いた、彼女の履いてきたパンティ小説本文では詳しい描写はないが、連れ込み宿のなかでおびえる葉子のパンチラを描いた挿し絵によると色は白、もしくは無地の薄い色。
翌日の昼間、昨夜のこの戦利品を眺めていた雅彦は、もはや矢も盾もたまらなくなるほど欲望を昂ぶらせ、葉子への本格的な調教開始を決意。彼女の大学の通学路へ車を向けた。 までもポケットに丸めて持ち去る。ただし行為の後、葉子の衣服の乱れを整える雅彦は、いつも通りの優しい青年に戻っていた。

雅彦の行為に衝撃を感じながらも、葉子はその夜の内に帰宅。翌日、平穏を装って大学に登校する。そして講義の前後に己の内心だけで昨夜の体験を反芻する。葉子はとにもかくにも恋しい相手と男女の仲になった感動を噛み締め、昨夜の雅彦の行為を許そうとする。だが下校中の葉子を車に乗った雅彦が呼び止め、彼女を恵比寿駅周辺の高級マンションに誘う。マンションの二人きりのエレベーター内で、雅彦は葉子の手を背中に回させ、細い鎖で縛る。めまいを覚えてよろける葉子を雅彦は背後から抱きかかえ、彼女のパンティを強引に膝の上まで引き下げる。葉子は許してくれるよう哀願するが、雅彦は葉子の下腹がすでに生暖かく濡れていると確かめる。ガウン姿になった雅彦は居間の中で全裸の葉子を立ち姿にさせ、両手を後ろに組ませる。そこで雅彦は、美しい女をいじめるのが好きな自分の趣味を告げる。

緊縛で葉子の上体の自由を完全に奪った雅彦は、彼女の細腰に鞭を打ち鳴らし、後ろ手の縄尻を引き絞って居間から連れ出す。葉子は恐怖と羞恥と屈辱においおい泣きながら、いましめられた全裸の姿で歩き出す。結婚後はこのマンションが本当の愛の巣になる、ここではお前は男が欲しくてよだれを垂らす雌犬として扱われる、と宣告した雅彦は、葉子をマンションの部屋部屋へ引き回す。浴室や寝室には、おぞましい異様な設備や大小の責め道具が数多く用意されており、葉子は、恋人の雅彦がやはり真性のサディストだと実感する。雅彦は葉子を寝室に連れ込み、天井から吊るす。そしてマゾについて講釈した女性の肉体は普遍的に苦痛さえ快楽に変える能力をそなえており、いったんその快楽の味を知った肉体は、もはや並の快楽では過されなくなってしまうのだ、とうそぶいた。 のち、鞭で打つ。泣き喚く葉子は苦痛に耐えるために固縛されてない両足を開くが、雅彦の鞭がわずかな股間の隙間を下からすくい上げるように叩く。葉子は獣のようなひときわ高い悲鳴を上げて失神する。ガウンを脱いだ雅彦挿し絵のなかでは、葉子を吊り上げて鞭打ちプレイを始める時点で、雅彦はすでにトランクス一枚の姿。は、意識のない葉子をベッドに大の字に縛る。葉子は緊縛セックスで愛されたのち、泣きながら無理やり剃毛される葉子はそんな羞ずかしいことだけはやめて、と哀願するが、雅彦は羞ずかしいと言ったって、これを見せる相手は僕だけのはずだ、その僕が葉子の赤ん坊のようになった姿を見たいんだから、素直に従うのは当然だ、と理詰めで応酬。言葉に詰まった葉子はたちまち赤ん坊に変えられ、雅彦はその部分に、可愛いじゃないか、と唇を寄せた。
なお雅彦が葉子を剃毛するために用いた道具(刃物)は小説では単に「剃刀」と叙述されるのみだが、挿し絵の雅彦は折り畳み式の高級剃刀を右手に握っている。そしてベッドに大の字に縛られ、これから始まる剃毛プレイへの恐怖に大きく瞳を見開く葉子の裸身に迫ろうとしている。。

葉子は婚約までした恋人・雅彦の性癖を、親を含む誰にも秘匿しようと決意する。10日ばかり過ぎた頃、下校中の葉子はふたたび雅彦の車にひっさらわれ、またもマンションに連れ込まれる。その日、葉子は生まれて初めて男性自身を口に含むこのプレイは雅彦の特にお気に入りで、以降のデートでの恒例になる。浣腸プレイの初日には、マンションに向かう路上の車中でも、運転中の雅彦は、助手席の葉子にこれを命じている。終盤の場面では谷梓にも行っている。
脚注16も参照のこと。。そして男性の放出するものの味と匂いを知る。それからはデートとは名ばかりの、雅彦による葉子への調教の日々が続く小説冒頭の見開きイラストは、この時期のマンション内でのデートの情景が主題。見開きの右には、のちの時勢の花嫁姿の葉子の姿が大きめのイメージ画として描かれ、その左にはベッドの上でSMプレイに興じる二人が描かれる。雅彦はランニング、トランクス姿で右手に鞭を持ち、丸裸の葉子の細首に巻いた首輪の鎖を引っ張りながら、じたばたと手足を悶えさせる彼女の背や尻を容赦なく叩いている。。こうして葉子は一歩一歩婚約者の雅彦によって、本格的に被虐の愛へと引きずりこまれていく。だがそんな辛い現実は、親にも知られてはならない二人だけの秘密である 。やがてある日のデートでようやく葉子が鞭打ちの快感を覚えだしてきたと認めた雅彦は、今夜は浣腸の味を教えてやろうと宣告する。葉子は背もたれのない長椅子上でうつ伏せポーズを取らされ、四肢を椅子の脚に括られるこの場面のいましめの道具は小説では未詳だが、挿し絵によるとロープもしくは麻縄を使用。
なお小説本文では、この時点で当日の鞭打ちプレイはいったん完了。葉子のくびれたウエストからたくましく盛り上がった双臀には、縞模様に交差した鞭あとが哀れにも妖しく美しく、うっすらと刻まれていると小説には叙述されているが、挿し絵には特に描かれていない。浣腸プレイが開始され、肛門に大量の薬液を注入される悪寒と屈辱、羞恥などで興奮した葉子は真っ赤になった背筋から尻にかけてねっとりしたあぶら汗を発汗。その汗の中で見るも鮮やかなまでに、鞭あとを尻肌に浮かび上がらせた。 。そして500CC容量の特大ガラス製浣腸器挿し絵のなかでは、葉子の髪を右手で掴んで裸身を大きく逆海老に反らせた雅彦が、同時に左手で握る道具として登場。容量は小説本文の描写とは一致せず、片手で容易に掴める中サイズのもの。ポンプとシリンダーの位置から察して、まだシリンダー内にはグリセリン液が半ば残っている。でグリセリン溶液を注入される。それから屈辱と苦痛と羞恥のなか、死んでもいいわッ…と念じつつ最後の汚辱を雅彦の眼前にさらけ出す初回の体験では勝手にもらしたりしたら、逆さ吊りのお仕置だと恫喝されながら、便意に悶え狂う尻を真っ赤に腫れ上がるまで革鞭で打たれ、さらには排泄の瞬間ギリギリまで喉の奥を犯された。葉子が泣き叫んで願い求めたトイレもとうとう最後まで使用を許可されず、ついには縛られた四つん這い姿のまま、雅彦が頃合を見はからって尻の下に当てがったトイレの代用品で用を済まさせられた。
なお当日の時点で、葉子がすでに逆さ吊りで責められた経験があるかそうでないかは、作中の叙述からは不明。。己が雅彦の所有物として新鮮味が薄れたと自覚する葉子は、白い裸身を汗と汚物にまみれさせたまま、お願い、捨てないで……と哀願する。

矢野雅彦と松平葉子の結婚式が5月の吉日、都内のO(オー)ホテルで盛大に行われる。披露宴で美しい白無垢姿を見せる花嫁が、実はその白い尻に鞭あとを刻み、浣腸の汚辱に妖しい快楽を学んだ変態のマゾ女だという事実を知る者はない挙式の場面ではそう叙述されるが、小説終盤によると、当日の祝宴には上杉と谷梓も招待されていたことになっている。。雅彦が独断で選んだ新婚旅行先の北陸のひなびた温泉宿で、彼は晴れて自分の花嫁となった葉子を存分に責め嬲る。そして初めての行為を要求する。葉子はそんなことだけはいや、あまりにもみじめすぎると泣いて逆らうが、浣腸・排泄後の肛門に浣腸器で油を注入されたのち、肉をえぐるような強烈な鞭打ちに追い立てられて、ついには布団の上で、雅彦のたくましい肉体に貫かれる。だが雅彦の方も油のおかげで円滑には行くものの、葉子の小さくて狭い後ろの窮屈感に苦痛を覚える。こうして二人は、初夜の愛を確かめ合う。

新婚旅行から帰った矢野夫妻は挨拶回りを続け、その打ち上げとして雅彦の先輩・上杉の自宅を訪ねる。上杉はガールフレンドの谷梓とも同棲しているようだ。雅彦が奥で仕事中という谷梓の様子を見に行った後、二人きりの応接間で上杉は葉子に、彼女が雅彦に調教されてマゾになった現実を指摘する。秘密を知られて真っ赤になってふるえる葉子に、上杉は実は自分が雅彦のSMプレイの教師だった事実を告げる。奥の部屋では雅彦が、全裸に縛られた谷梓の口を犯していた。実は谷梓こそ、雅彦がプレイを学んだ時の試験台だった。上杉は葉子に、今夜は教師として教え子の腕前の上達ぶりを確認させてもらうと告げる。以前に雅彦に谷梓を与えた替りに、今度は上杉が彼流の行為で心行くまで葉子を嬲るのだ。夫と谷梓の目前で上杉に訪問着を脱がされていく葉子は、さらなる凄絶な被虐の運命を予見する。



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被虐の契りとは
概要
あらすじ
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