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旧東ドイツ |
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禁書 |
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発禁 |
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有害図書(ゆうがいとしょ)とは、性・暴力・自殺・犯罪などに関して、露骨な、もしくは興味本位の取り上げ方をし、青少年の人格形成に有害である可能性があるとして政府や地方自治体などによって指定される出版物。ただし一般的な出版物だけでなくゲームソフトなども対象となる場合がある。
日本では青少年保護育成条例に基づいて、都道府県知事(県として有害図書指定制度がない長野県では一部の市町村長)が「成人向けマークの付いていない書籍」を対象として個別指定する。指定を受けたら、書店では包装(多くはビニールシュリンクパック)した上で成人専用コーナーに陳列し、青少年(18歳未満の者)に対しては売ってはならないことになっている(都道府県により陳列方法などの詳細は異なる)。わいせつ物頒布罪(刑法175条)により全面的に頒布が禁止される「わいせつ物」とは違い、18歳以上の者への販売は禁止されない。また、条例に基づき自治体が指定するという点で、出版社の自主規制により成人向けマークが付けられる通常の「成人向け漫画」などとも異なる。
日本全国では年間、延べ数百冊の書籍が有害図書に指定されているが、年に数十冊ほど指定する自治体がある一方で、個別指定を事実上行わない自治体も多く、地域によってかなり運用に差がある。なお、東京都の条例では「不健全図書」という名称を用いている。有害図書は自治体の条例によって指定されるので、その法的効力は各自治体の領域内にしか及ばないが、東京都による不健全指定は、出版倫理協議会やAmazon.co.jpにおける自主規制の基準となっているため、全国的な影響力を持っている(後述)。2010年代後半以降は不健全指定図書の大半がボーイズラブ作品となっており、参議院議員の山田太郎は、こうした青少年健全育成を理由としたBLの規制に危惧を表明している。
東京都青少年の健全な育成に関する条例での指定対象を例示すると、「図書類又は映画等で、その内容が、青少年に対し、著しく性的感情を刺激し、甚だしく残虐性を助長し、又は著しく自殺若しくは犯罪を誘発するものとして、東京都規則で定める基準に該当し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められるもの」(第8条1項1号)となっている。2011年7月1日以降は、漫画やアニメなどで「強姦等の著しく社会規範に反する性交又は性交類似行為を、著しく不当に賛美し又は誇張するように描写し、又は表現する」ものも不健全図書指定の対象となる(第8条1項2号)。
有害図書の指定に当たっては、出版物本体にあたる印刷物だけでなく付録として添付されるCD-ROMなどの中身も審査の対象となるため、一時は本誌には性的な内容が全く含まれないパソコン雑誌が「付録CD-ROMの中に性的な画像が記録されている」という理由で有害図書指定される例も相次いだ。このため出版社によっては、成人向け雑誌部門を別会社として切り離したり、有害図書指定取り消しを求める訴訟に発展するケースも見られた(後述)。
一部の都道府県ではコンピュータゲームソフトも有害図書制度の対象とされており、神奈川県では『グランド・セフト・オートIII』が有害図書に指定されている(その後、大阪府などいくつかの都府県でも指定された)。
有害図書に指定された書籍(「完全自殺マニュアル」(鶴見済)など)は、一部の書店で陳列販売されていない。小さな書店では、区分陳列のスペース確保と年齢認証の煩雑さなどから取り扱わず、顧客の注文で出版取次から取り寄せるケースとなる。また、Amazon.co.jpにおいては、東京都によって不健全指定された書籍の取り扱いを規約で禁止しており、該当する書籍はAmazonのウェブページから削除される。
その一方、不健全図書指定自体は販売を全面禁止するものではなく、あくまでも青少年への販売を規制するものに過ぎないため、Amazon以外のECサイトでは『成人向け商品』として販売が継続されているケースが多い。なお、東京都により不健全指定された書籍のタイトルは東京都都民安全推進本部ウェブサイト上の不健全指定図書類一覧で確認できる。
出版業界の主要4団体が1963年(昭和38年)に設立した出版倫理協議会では、1965年(昭和40年)に自主規制ルールとして「東京都の不健全図書(有害図書)として連続3回、もしくは1年間に5回以上指定された雑誌は、特別な注文等がない限り取次業者では扱わない」というルールを定めており、そのためこのルールに該当した出版物は事実上書店での販売が困難となる。その場合出版社は成人向けに限定した形でアダルトグッズショップや直接販売などの通販・チャンネルで販売を継続するか、もしくは廃刊・絶版するかの選択を余儀なくされることがある。
また、大手コンビニチェーンや書店の中には「前記の取次停止ルールに該当する出版物を発行している出版社の出版物は、有害図書指定されていない他の出版物も含めて一切取り扱わない」という方針を示しているところもあり、そのためコンビニ販売が主力となる雑誌類を抱えている出版社の中には、万が一の事態に備えて成人向け雑誌・書籍部門を別会社として本体から切り離す動きも見られる(例:毎日コミュニケーションズ→MCプレス)。
青少年保護育成条例における有害図書指定制度は、青少年の健全な育成を目的に、性や暴力に関して露骨な描写を含んだ書籍などを「有害図書」などに指定することで、青少年への販売を禁止するものである。これは明らかに青少年の「知る権利」を制限するものであるから、日本国憲法第21条との関係でその合憲性が問われることになる。これが実際に問題となったのが「岐阜県青少年保護条例事件」(最高裁判所平成1年9月19日第三小法判決 刑集43巻8号785頁)である。最高裁は、悪書が「青少年の健全な育成に有害であることは、既に社会共通の認識になっていると言ってよい」とし、またその目的達成のためにはやむを得ない規制であるとの理由からこの条例は合憲であるとした。これには「有害図書」と青少年の非行が安易に結びつけられているとの批判がある。伊藤正己裁判官による補足意見もその点を指摘している(有害図書の規制が合憲であるためには、『青少年非行などの害悪を生ずる相当の蓋然性』があることが必要とコメントしている。ただし、結論としては本条例の合憲性を認めている)。
以下では、有害図書法制に関する歴史と、特筆すべき有害図書指定の事例について取り上げる。ここに挙げられている有害図書の例は全体のごく一部であり、この他にも各都道府県(長野県の場合は一部の市町村)によって多数の書籍が有害図書に指定されている。なお、指定対象となった書籍のタイトルなどは、各地方自治体の青少年担当課のウェブサイトなどで確認できる。
2000年(平成12年)には、宝島社のパソコン雑誌『DOS/V USER』『遊ぶインターネット』の2誌が、付録CD-ROMの中にアダルト映像を含んでいるという理由で、東京都から3回連続で不健全図書指定を受けた。これに対し宝島社は同年11月、「不健全図書制度は日本国憲法の定める表現の自由を侵害している」という理由で不健全図書指定の取り消しを求める行政訴訟を東京地方裁判所に起こした。
2003年(平成15年)9月、東京地裁は「青少年保護のためには知る権利に一定の制約も必要」として同社の請求を棄却する判決を言い渡した。これを不服とした宝島社は東京高等裁判所に控訴したが、翌2004年(平成16年)6月、東京高裁は控訴を棄却。宝島社はこれに対して上告を行わず、不健全図書指定の取り消しはならなかった。
また、宝島社は不健全図書指定に対抗する目的で一時休刊に追い込まれていた前記の2誌を2001年(平成13年)4月より直販の形で復刊させたものの、採算ラインを大きく割り込み続ける結果となり翌年には再び休刊を余儀なくされた。