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ジュブナイルポルノ(Juvenile porno)は、アニメ・マンガ調のイラストをカバー・表紙・口絵・挿絵などに使用した、異性間もしくは同性間、さらには人外のものとの性描写を含む娯楽小説であり、官能小説の一ジャンルである。しかし、後述するようにジュブナイルポルノと呼ばれることは稀である。また、ジュブナイルという言葉は、「子供向けの」という意味もある為、特に海外から児童向けポルノと誤解される懸念がある。
現状、このジャンルの特徴的な要素として、以下のような事柄が挙げられる。現在刊行されているものについて言えば、ライトノベルと共通の特徴が随所にあり、主対象としている読者層の違いなどが一般的な官能小説との差異を生み出す要因になっている。
コミックやゲームとは異なり発売元により成年指定が付けられることは基本的に無い。この点は通常の官能小説と同じである。ただし、2008年以降、新書判として発行される作品で成年向けとしてマークが付与されるものも増えている。また、書店においては非成年指定作品であっても18禁作品として扱うこともある一方、一般のライトノベルの棚に置かれていることもある。
しかし、作品の多くが表紙の見た目が一般のライトノベルと大差無く、成人指定されないことから内容がポルノであることを理解されないまま手にとられてしまう懸念があり、大手書店チェーンですら取り扱いを全く行っていない店舗もある。
アニメ・マンガ・同人誌を専門に扱う店で購入時に店舗特典をつけるなどのフェアを開催することもある。
2010年代中盤になると「小説家になろう」を始めとしたWEB小説が人気となり、そのうち「小説家になろう」グループの18禁サイト「ノクターンノベルズ」からの書籍化が増え、2015年2月にキルタイムコミュニケーション(KTC)が書籍化レーベルの「ビギニングノベルズ」の発行を開始して以来、それを機に各社が相次いで専門のレーベルを設立している。これらの作品はメディアミックスを積極的に行っており、またコミカライズなどが非成人指定の漫画雑誌で連載されているなどの特徴がある。
ジュブナイルポルノとアダルトアニメの繋がりは古い。そもそもジュブナイルポルノというジャンル自体が、直接かつ単純に一般向けライトノベルの派生形として登場したものではなく、アダルトアニメのノベライズとして出版された作品に最大の起源を持っている。
具体的には、1980年代中頃以降から1993年頃までの間、アダルトアニメ『くりいむレモン』シリーズなどのノベライズを中心に散発的に刊行された富士見書房の「富士見文庫(富士見美少女文庫)」がこのジャンルの駆け出しである。この時点で既に、ファンタジーやSFに主題を求めた作品が数多く刊行され、漫画家やアニメーターによる表紙・挿絵が使用されるなど、一般的な官能小説とは大きく異なる体裁を持っていた。この富士見美少女文庫に端を発する様式が、後続各社の文庫レーベルのスタイルにも連綿と大きな影響を及ぼし、逆に富士見ファンタジア文庫、角川スニーカー文庫の創刊にも繋がっている。
1990年代には、フランス書院の「ナポレオン文庫」など、成人向け漫画誌との連携により同時代のライトノベルへ近い形となったジュブナイルポルノレーベルが次々と創刊され、これらを原作としたアダルトアニメが製作された時期もあった。一方でアダルトゲームを原作としたアダルトアニメが登場し、2000年頃にはこちらが販売・レンタルいずれも市場のほとんどを占めるようになったため、一時期、ジュブナイルポルノ原作のアダルトアニメ作品は廃れた。
しかし、ヒットしたアダルトゲームのアダルトアニメ化を巡る競合が激しくなり、また、プレイステーション2などのコンシューマゲーム機およびUHFアニメへの展開を目論んで、メーカーがアダルトアニメ化そのものを拒否するなど、人気アダルトゲーム原作のアダルトアニメ化は難しくなっていく。また、アダルトゲーム原作作品については視聴層からも『内容がソフト過ぎる』『Hシーンが少なすぎる』という不満が目立っていた。これらのことから、著作権使用料がゲームと比較して安価で、ゲームよりもハードな展開が多いジュブナイルポルノがアダルトアニメ化されるケースも、わずかではあるが再び見られるようになった。ただし、一般向けライトノベルのように、ジュブナイルポルノのレーベル運営と連動するメディアミックスは少なく、また、大きな影響力を持ったケースはない。
ジュブナイルポルノではアダルトゲームのノベライズ版が出版されることも多く、専門のレーベルも存在する。
1990年代後半以降、メディアの大容量化とビジュアルノベルの普及を背景に文章量やその質が官能小説などに比肩し、クリエイターにジャブナイルポルノの小説家や挿絵画家と変わらない能力が求められる様になったことで、主にフリーランスのクリエイターの数多くがアダルトゲーム業界からジュブナイルポルノの世界にも進出していった。これらゲーム原作のノベライズ作品はジュブナイルポルノとは区別すべきという考えもあるが、現在もこのジュブナイルポルノで活躍している作家や、表紙・挿絵を書くイラストレーターの多くは、成人向けゲームも活動範囲としている。これは主な購買層がかなり一致していることと、ゲームのノベライズの場合、作品や雰囲気に一貫性を持たせるため、ゲームのシナリオライター及びイラストレータがそのままノベライズ作品を担当したり、特に表紙・挿絵については原作ゲームに使用されたパッケージ・CGがそのまま流用されることが珍しくないためである。
なお、2010年以降はアダルトゲーム市場の衰退から、タイトル数は減少傾向にあり、2010年はオークスが「ELO NOVELS」を刊行するもわずか4ヶ月で終了し、キルタイムコミュニケーションが長年リリースしてきた「二次元ゲームノベルズ」も事実上撤退した。また、ハーヴェスト出版の「ハーヴェストノベルス」は2012年8月を最後に新規発行を停止し(晩年は特定のブランド作品に絞られていた)、2013年11月には15年以上に渡って発行されてきたパラダイムの「パラダイムノベルズ」も新規発行を取りやめるなど、現状は下火になっている。
実験的なケースだが、近年、アダルトアニメやアダルトゲームに代わる題材として、成人向け同人漫画やCG集のノベライズも行われている。
雑破業、ヤマグチノボル、桑島由一、本田透、J・さいろー、ゆずはらとしゆきなど、ジュブナイルポルノはライトノベル新人賞を経由しなかったライトノベル作家がキャリア初期に執筆していたケースが多く見られる。
また、わかつきひかる、三門鉄狼、伊藤ヒロ、高橋徹、午後12時の男、みかづき紅月など、ライトノベルやアダルトゲームシナリオ、またはそれ以外のジャンルとの掛け持ちで執筆している作家も多く、後者ではペンネームを変えているケースも多かった。これはゾーニングでポルノと非ポルノを分けるためで、代表例は『エンドレス・ワルツ』などの純文学作品を執筆する以前に、倉田悠子の変名を用いて『くりいむレモン』『レモンエンジェル』などを執筆していた稲葉真弓が挙げられる。
しかし、90年代以降は共通のペンネームで執筆するケースも増え、こちらは『群像』、『すばる』といった大手文芸誌に作品を掲載し、純文学作家としても認知されている海猫沢めろん、ライトノベルを経て一般文芸作品を執筆するようになった清水マリコなどが挙げられる。また、そのような作家の作品がジュブナイルポルノ以外のレーベルで再出版されたケースもある。
もっとも、ジャンルの古典となった稲葉真弓を除くと、文学的要素の強い作品や文芸誌でも執筆する作家はジャンルプロパーの作家や読者から敬遠される傾向があり、『二次元ドリームマガジン』や後述の『SPA!』特集でも、そのような作品や作家への批判が行われていた。
2000年代初頭にインターネットミームとして生まれた言葉で、2006年『SPA!』1/31号「超保存版・上級者のための[活字エロス]研究」で特集を組まれたことからジャンル名として使われていたが、近年はジュブナイルポルノと呼ばれることはあまりなく、以下のように呼ばれることが多い。
また、上の呼称の他に、それぞれ発売されているレーベルに由来すると推測される、
などと呼ばれていたこともある。
Amazonでは、一部のレーベルがライトアダルトノベルスとして分類されている。しかしライトノベル分類のみのレーベルも多い。作家の鏡裕之は、秋葉系文化の中心は美少女、すなわち思春期の男性にとっての恋と性の対象となる二次元ヒロインであり、ジュブナイルは美少女という言葉が使われる以前の古い用語であって、ジュブナイルポルノという言い方は適切ではないと批判している。